はたけのみかたのベビーフード/湖南市ブランドストーリー

無化学合成農薬・無化学肥料で農業を営む農家が直面する
販路開拓の課題を解決すべく、考案したベビーフード「manma」。
瞬く間に評判が広がり、全国の子育て世代に愛される人気商品へ。
母親や父親の思いに寄り添った、商品の誕生秘話に迫ります。

京都の大学に在学中、地産地消を支援する学生団体を運営。活動を通じて小規模農家の課題に直面する。化学合成農薬や化学肥料を使用しない野菜の販路開拓の難しさに着目し、大学在学中にはたけのみかたを創業。素材の味を活かしたベビーフード「manma 四季の離乳食」を開発し、日本全国の食料品店での販売や、オンラインでの直販などを幅広く展開しています。

株式会社はたけのみかた
代表武村幸奈さん

畑画像

「赤ちゃんにとって初めての食材との出会いを大切にしたい」という想いが「manma 四季の離乳食」開発の根底にあります。開発当時は、大手メーカーにより大量生産されたベビーフードが世間の主流で、素材の味にこだわった商品は少なかったそうです。そのことに寂しさを感じ、素材その「まんま」の味を前面に打ち出した「manma 四季の離乳食」が生まれました。
化学合成農薬や化学肥料を使用せずに栽培された滋賀県産の農作物を使用。素材本来の美味しさを感じることができるよう、一部商品にごく微量の塩の使用以外は副材料を使わない。赤ちゃんの成長段階にあわせて少しずつ離乳食を進められるよう、月齢別に食材をペースト状から角切りと、4段階に大きさを変えて展開しています。
忙しい毎日でも、安心できる離乳食を、そんな親御さんへの優しい想いが込められた商品です。

素材の味が「manma」のこだわり。使用するものは、そのまま食べて美味しい選び抜かれた野菜やお米。もちろん、仕入れ先は厳選された一流の信頼できる生産者だけ。学生時代の活動を基盤に、はたけのみかた創業当初から現地に足を運び、農作業を手伝ったことも。少しずつ地道に関係を構築してきました。味や品質には問題ないが、形が整っておらず流通に乗りにくいお野菜も使用することで、生産者の収入増にも貢献しています。
美味しい野菜をより美味しく食べてもらうには、「旬」が欠かせません。「manma」は夏には夏の野菜、冬には冬の野菜というように、季節ごとに使用する野菜を変更する事で、幼い頃から「旬」に触れ合う機会を提供。農家さんが丹精込めて作った野菜の味を最大限発揮できる商品作りにこだわっています。

「農業で社会の課題を解決する」この思いに至るきっかけは、学生時代の出会いでした。
特別栽培の農家さんは途轍もない時間と労力をかけて農業を実践されていますが、小規模でされている方は、なかなか販路開拓に割く時間がありません。そんな中、ある野菜市で出会ったお客さんから「子どもに良いお野菜を食べさせたいが、出会える機会が少ない」という話を聞きました。「売りたいけど買い手が見つからない農家」「買いたいけど売り手が見つからない保護者」この両者の課題を解決するべく創業し、たどり着いたのが「manma」でした。両者の出会いのきっかけを作り、手間暇かけて作られた野菜が、子どもに高品質のベビーフードを食べさせてあげたい親御さんのもとへと届く橋渡しとなりました。

農家と保護者が持つ課題の救いの手となった「manma」。完成に欠かせなかったのは数々の方の協力でした。滋賀県内の病院や栄養士さんにご協力いただいたり、地域の離乳食講習会に参加し、保護者の生の声をヒアリングしたりと、たくさんの方々の協力と思いが詰まったベビーフードです。「赤ちゃんに何を食べさせようか」と、我が子の食について考えを巡らせる保護者に安心してお勧めできます。
武村さんに今後の意気込みを伺うと、「滋賀の農業界にインパクトを与えたい」と。欧米と比べるとまだまだオーガニックフードへの関心が低い日本では、販路が限られているため手間のかかる栽培方法はなかなか軌道に乗りません。そんな状況を打破し、はたけのみかたが消費者との橋渡しを行うことで、野菜づくりへの印象を変え、新規就農する人が増える環境を目指しています。